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My Generation (自転車と本、あるいは音楽)

自転車での走行記録とか好きな本や音楽などをメインにお届けします

『グリコ・森永事件「最終報告」 真犯人』

グリコ・森永事件「最終報告」 真犯人 (朝日文庫)

グリコ・森永事件「最終報告」 真犯人 (朝日文庫)

グリコ・森永事件を扱ったノンフィクション。類書として「闇に消えた怪人」などがあるけど、最後発の本書ではこれまで明らかになっていなかったことが、かなり明かされている。本書を読んで「レディ・ジョーカー*1がグリコ・森永事件を下敷きにしていることが改めてよくわかった。グリコ・森永事件に着想を得ているというのは知っていたが、実際にあった犯人との追跡劇(丸大事件)や「53年テープ」など事件の重要なファクターをかなり取り込んでいることが再確認できた。特に犯人グループについては内部犯行説など一般にはあまり明らかになっていない部分も取り入れており、「レディ・ジョーカー」の犯人グループとは高村薫が思うところのグリコ・森永事件の犯人像とすら思えてくる。
本書では実行犯の一人と思しき人物が特定されているが、その人物に話を聞くことはできないようなので結局のところ真相は不明である。その人物が犯人である可能性はかなり高いだろうという印象だが、決め手にはかける。あくまで実行犯の一人であり、犯人グループの全貌ではない。あとグリコが裏取引に応じたかということであるが、これも真相は不明。ここのところは読んだ人によって印象が違うと思うけど、黒か白かと言われると黒に近いグレーという気がする。いずれにせよ一連の事件は全部時効を迎えてしまってるので、犯人が出て来ても刑事責任を問う事はもうできない訳だけど。
本書の著者はあるルートから当時の捜査報告書を入手して読んだようだが、読めるものなら読んでみたい。

*1:高村薫のベストセラー。わたくしのレビューはこちら