「南海ホークスがあったころ」野球ファンとパ・リーグの文化史
単行本で出たときに気になっていた本が文庫化されたので早速読んでみた。
南海ホークスがあったころ---野球ファンとパ・リーグの文化史 (河出文庫 な 26-1)
- 作者: 永井良和,橋爪紳也
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2010/05/01
- メディア: 文庫
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もう一つの柱はホークスの本拠地であった大阪球場が都市の発展にどのような役割を演じてきたかという都市論的なアプローチからの論述である。大阪の都心、盛り場というとキタの梅田、ミナミの難波になる訳だが、大阪球場はその難波駅にほぼ隣接しておりアクセスは抜群によかったし、都心のどまん中に球場があったというのは稀有な例だったであろう。社会人になった初めての年に帰りの南海電車の車窓から大阪球場でゲームをやっていたのを何度か見た記憶があるが、今思えば球場まで見に行けばよかった。
経営母体の三転や本拠地移転という試練は取り分けオールドファンには辛かったに違いない。ただホークスというチームは存続しており、過去の栄光とは違った形ではあるが、九州に根をおろし現在進行形でパを牽引する球団となっている。応援するチームを失ってしまった近鉄ファンからすると羨望を禁じ得ない。(今のバファローズはどうしても応援できない)羨ましい限りである。