My Generation (自転車と本、あるいは音楽)

自転車での走行記録とか好きな本や音楽などをメインにお届けします

トイレット

前から気になってた映画「トイレット」をようやく見ました。

ひきこもりピアニストの長男モーリー、ロボットオタクの次男レイ、生意気な妹リサの3人兄妹が母の死後、母が生前日本からつれきたばーちゃんと触れ合うことによって、徐々に自分にも変化がおとずれ家族の絆も深まっていくというストーリー。よかったです。この映画「かもめ食堂」や「めがね」荻上直子監督作品で、他の作品は見たことなかったけど観たくなりました。
ばーちゃんは英語ができないし(と思われる。ひょっとすると話さないだけで意味はわかるのかも)日本語でもしゃべらないけど、それなりに孫たちとはコミュニケーションが取れてきて、ちょっとずつ孫もばーちゃんも家族関係を積み上げていくんですね。みんなで餃子を作るシーンがあるんだけど、これがよかった。一度うちでもやってみたくなりました。そういえば昔は家でも餃子を作っていた記憶があります。
ばーちゃん役はもたいまさこなんですが、台詞がほとんどない所を動きや表情で独特の雰囲気を作っていて感心しました。荻上作品にはなくてはならない存在のようですね。
あと音楽も効果的で、クラシックが大半ですが引きこもりピアニストの長男がベートーベンのピアノソナタ「ワルツシュタイン」を弾くシーンは特に印象に残りました。
で、なんでトイレットかというとばーちゃんは朝のトイレが長くて出てくると深いため息を付くんですが、この事をレイがインド人の同僚に相談するとその同僚は日本のトイレがいかに進んでいるかという事を講釈して、今のトイレに問題があるのではないかという問題提起をする訳です。それでレイはばーちゃんのためにトイレットの新調を検討します。それまでレイは家族とは離れてすんでいたし、自分第一主義だったのがばーちゃんのために購入を決意するまでに心境が変化してくるのですね。パニック障害のモーリーもピアノコンクールに出るというし、リサはリサでエアギター選手権に出ると言い出します。ばーちゃんとの触れ合いが、少しずつ皆を前向きにさせているんですね。
ラストはちょっと意外でした。単館系のスクリーンでしか公開してないと思いますが、機会があれば皆さんにも見て欲しいです。