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My Generation (自転車と本、あるいは音楽)

自転車での走行記録とか好きな本や音楽などをメインにお届けします

「朽ちるインフラ」

book

朽ちるインフラ―忍び寄るもうひとつの危機

朽ちるインフラ―忍び寄るもうひとつの危機

老朽化するインフラ問題を扱った本。例えば水道管は最長で40年が寿命と言われているが、大阪市では約3割が40年を超えているらしい。水道以外では橋とかトンネル等の土木系の構造物や箱モノの公共施設など各地で寿命を迎えている。記憶に新しいところでは天井が崩落してしまった中央道笹子トンネルとか、東日本大震災で建物が崩壊してしまった九段会館とか老朽化が原因の痛ましい事故がいくつか発生している。米国ではニューディール政策において各地で公共投資がなされ、その時建てられた建造物が80年代において寿命を迎え問題となったことがあるが、同様に現在の日本では高度経済成長時に建てられた社会資本が現在寿命を迎えつつあるということだ。
社会資本というのは作るだけでなく維持にもお金がかかるものであり、この本の試算によるとこれら老朽化したものの更新維持に毎年8兆円がかかるそうである。
やっかいなことは長引く不況+少子高齢化でどこの自治体も財政状況は厳しく、公共投資という分野は削減候補の筆頭に位置しており予算増額はかなりハードルが高い。地方に行けば人口減のなかインフラをどこまで維持していくか難しい判断を迫られることもあるだろう。
この本ではインフラ老朽化問題に対する自治体での先進的な取組例の紹介やPFI、PPPの重要性やマネジメント手法(施設の統廃合、複数自治体での共有、インフラのスリム化など)が論じられている。
インフラを作ってしまったら必要不可欠になる維持管理費、更新費というものについて、作る前からもっと意識していかないといけないのかなと思った。