「すべての道はローマに通ず」塩野七生著
ローマ人の物語〈27〉すべての道はローマに通ず〈上〉 (新潮文庫)
- 作者: 塩野七生
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- 発売日: 2006/09/28
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ローマという国家が栄えたのは2000年以上も前のことだが、紀元2世紀には街道は幹線だけでも8万kmも整備されていたそうで、まさに「すべての道はローマに通ず」である。構造的にも立派なもので車道幅4mの両脇に3m幅の歩道がくっついていたらしい。当時の馬車が大体幅1.5mくらいだったらしく、これは現代では両側歩道付きの片側一車線ずつの道路に相当する。今の日本でも地方に行くと歩道がない道路も普通にあるくらいで実に贅沢な造りだ。路面もただ踏み固めただけでなく敷石がしっかりと敷き詰められており、両側には排水溝もあったらしく考えられたものになっていた。現代のイタリアのシングル・ナンバー国道はほぼこのローマ街道が通っていたところを踏襲しているそうだ。
ローマ人の物語〈28〉すべての道はローマに通ず〈下〉 (新潮文庫)
- 作者: 塩野七生
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しかし、帝国に勢いがなくなりインフラの維持費用にお金が出なくなってくると街道も水道も機能しなくなり、ローマ帝国が滅亡した後は近世になるまでこのようなインフラに熱心な国は出てこなかった。維持費用が出なくなって廃れたとは先日紹介した「朽ちるインフラ」と同じだなあと思ったり、そういう点でもローマ人の先駆的なところに感心したり。技術は進歩しても人間社会って実は根本的なところはそれほど進歩してないのかもしれない。