ステイゴールド急死
随分久しぶりに競馬の話題、種牡馬ステイゴールド(牡21歳、父サンデーサイレンス)が急死したそうだ。
ステイゴールド急死 21歳、死因不明 オルフェ、ゴールドの父 ― スポニチ Sponichi Annex 競馬
馬の21歳というと人間ではおじいちゃんなので年齢的にはしょうがない面もあるが、現役時代から思い入れのある馬だったので残念である。
競走馬として
96年デビューで同期にはサイレンススズカやメジロブライトがいる。3歳時は菊花賞に出走(8着)したくらいでクラシックにはあまり縁がなかった。菊花賞後に準オープンまで順調に勝ち上がり、明け4歳時にG3ダイヤモンドSを2着でオープン入り。2走後にG1天皇賞(春)に出走、2着に食い込んでからは重賞戦線で好走するも勝ち上がれず、結局重賞勝ちは6歳の目黒記念(G2)までなく、その間に2着が5回、3着が7回とブロンズ、シルバーコレクターの異名が付いた。天皇賞(春・秋)通算で3回も2着に来たのはこの馬くらいだろう。この頃よく馬券を買っていたけど、あまり美味しい思いはできなかったような気がする。
晩成型だったのだろう、6歳で目黒記念、7歳で日経新春杯を勝った後、海外のドバイシーマクラシック(G2)で勝利した。2001年末の香港ヴァーズ(G1)を見事勝利、勲章を得た。惜しまれる中このレースで引退。サンデーサイレンスの産駒としては地味な戦績だったが、息の長い活躍で競馬界を盛り上げた馬だった。
競馬 2001年 香港ヴァーズ ステイゴールド -高画質- - YouTube
あまり馬格のない馬で古馬になっても体重が430Kgくらいしかなかった。4歳時には408Kgで出走したこともあり、出走時は常に馬体重をチェックしていた。2000m以上の中長距離戦で活躍し、マイルはおろか1800mの出走もダートで一度あるだけと徹底していた。晩年は豊が乗っていたけど主戦は熊沢重文騎手というのも渋くてよかった。
血統
ステイゴールド 三代血統表
サンデーサイレンス | Halo | Hail to Reason |
Cosmah | ||
Wishing Well | Understanding | |
Mountain Flower | ||
ゴールデンサッシュ | ディクタス | Sanctus |
Doronic | ||
ダイナサッシュ | ノーザンテースト | |
ロイヤルサッシュ |
母ゴールデンサッシュは息の長い繁殖牝馬で、父がディクタス、母がダイナサッシュ(父ノーザンテースト)という血統。産駒はステイゴールドの他にレクレドールが活躍。母の全兄にG1を2つ勝ったサッカーボーイがおり、全姉にベルベットサッシュ、ベルベットサッシュの孫にバランスオブゲームがいる。
祖母ダイナサッシュは父ノーザンテースト、母ロイヤルサッシュ。ロイヤルサッシュは英国から輸入された繁殖牝馬であり、ダイナサッシュの他にはダイナホットがおりこの系統からも活躍馬が出ている。(タマモホットプレイ、タマモベストプレイなど) ロイヤルサッシュの牝系は日本の競馬界に根付いた血統でゴールデンサッシュのようにディクタスの血が入っているのは今では貴重と言えるだろう。
種牡馬として
自身の成績はサンデー産駒としては地味だったが、種牡馬としては非常に優秀。2年目の産駒ドリームジャーニーが朝日杯FS(G1)を勝ったことで評価があがり、以降三冠馬オルフェーブル、ゴールドシップ、フェノーメノ、ナカヤマフェスタ、レッドリヴェールとG1馬を輩出。特にグランプリに強く有馬記念、宝塚記念を合計9勝している。サンデーサイレンスの最高傑作だったディープインパクトの産駒が比較的短距離で強いのに比べ、ステイゴールド産駒は中長距離にも強いのが特徴である。今年の3歳馬にもアッシュゴールドという有力馬がいて活躍が期待されている。
ステイゴールド自身も個性的な馬だったけど、産駒もまたゴールドシップのように一癖ある馬が多い。そういう意味でも残念である。合掌。