「里山資本主義」
タイトルを見て面白そうと思って買った本。何年か前に新書大賞を受賞したそうだ。
里山資本主義 日本経済は「安心の原理」で動く (角川oneテーマ21)
- 作者: 藻谷浩介,NHK広島取材班
- 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店
- 発売日: 2013/09/25
- メディア: Kindle版
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里山とは難しい定義で言うと中山間地域と言うらしい。(農林水産省/中山間地域とは) この本はそんな中山間地域で行われている地方創世に繋がる活動を紹介した本である。
今の日本で中山間地域というと基本的には高齢化が進行し若者がいない過疎地域であるが、そこには都会にはないものがありそれらを利用することで結構生活ができますよ、こういう選択肢もあるんだよということが書かれている。
例えば「木質バイオマス発電」、要は製材の過程で出る木屑を燃料にして発電する仕組みだ。岡山県真庭市にある銘建工業という製材会社で手がけている。他に家庭レベルでは同じく中山間地域の広島県庄原市では「エコストーブ」というのが普及している。エネルギーを得るためには何かを燃やしてタービンを回さないといけないが、その燃料に里山に豊富にある木屑や枝を使い、しかもそれが安価に手に入りますというところがみそ。銘建工業では木屑の廃棄代と電気代が浮いて、売電による利益もあり年間4億円のコスト削減効果があるそうだ。
他にも周防大島にIターンしてジャム屋さんを営む人のこととか、一見田舎過ぎてどうしょうもないような地域なのにそれを逆手に取って、いやいやこんなことも出来るんですよという話がいろいろ紹介されている。
もちろん、同じことが都会でできる訳ではないし、地方暮らしもそんなに簡単なものではないだろう。しかし、この本を読んで地方がもっと暮らしやすくなり都会も地方も発展すればいいなあと思った。