My Generation (自転車と本、あるいは音楽)

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映画「ジェームス・ブラウン 最高の魂(ソウル)を持つ男」

ちょっと前に見たジェームズ・ブラウンの伝記映画をご紹介。


映画『ジェームス・ブラウン 最高の魂(ソウル)を持つ男』予告編 - YouTube

ミック・ジャガー製作ということで話題になったJBことジェームズ・ブラウンの伝記映画「ジェームス・ブラウン 最高の魂(ソウル)を持つ男」。JBを演ずるのは「42 〜世界を変えた男〜」で黒人初のメジャーリーガー、ジャッキー・ロビンソンを演じたチャドウィック・ボーズマン。JBのマネージャー役にあの「ブルーズ・ブラザーズ」でエルウッド・ブルーズ役のダン・エイクロイド(かなり貫禄がついて一瞬分からなかった)。

極貧かつ劣悪な環境のなかで育ち、教護院に慰問に来たボビー・バードと知り合い、バードとグループ「フェイマス・フレイムズ」を結成する。その後デビュー時には「ジェイムズ・ブラウンとフェイマス・フレイムズ」となり、やがてソロとして活動していき、ファンクと呼ばれる音楽を創りだし、「ゴッドファーザー・オブ・ソウル」と呼ばれるように成功を収める。

成功した後はメイシオ・パーカーなど主要なバンドメンバーや盟友ボビー・バードとの確執があり、メンバーが離れていってしまうなど必ずしも順風満帆ではないが、ブーツィー・コリンズなど新しいミュージシャンもバンドに入ってきたり色々ある。

JB役のボーズマンの声というかしゃべり方が結構本人に似ていたのでちょっとビックリ。でも本当にビックリしたのはダンス。ボーズマンのダンスを見るだけでも価値があるかもしれない。ライブシーンも結構多くて序盤のリトル・リチャードのライブに飛び入りするシーンとか、ストーンズと対バンしてストーンズを食ってしまう*1ほど盛り上げるシーンとかなかなか魅せる。

サントラも出ていて、有名な曲はほぼ網羅されているのでビギナーにはいいだろう。ベスト盤は持ってるという人も本作ではリマスター効果で低音が増強されているので買い直しもありかと思う。ちなみに Apple Musicや Line Musicのラインアップにもあるんで、ストリーミングで聴けます。

JBに限らず、チャック・ベリーやリトル・リチャードなど50〜60年代に一時代を築いた黒人ミュージシャンはとにかくビッグマウスで態度も尊大であるが、JBについては音楽的な事に関して影響を受けていない黒人の、特にR&B畑のミュージシャンはいないだろう。マイケル・ジャクソンやプリンスなどはモロに影響を受けているし、シックのナイル・ロジャーズなんかのギターカッティングもJB'sのそれを継承している。黒人でなくともミック・ジャガーなんかはパフォーマンスを真似したけど自己流になってしまった*2と言っている。

R&Bに興味がある人や、マイケル・ジャクソンやプリンスが好きな人は必見。洋楽が好きな人や、Exileのファンの人なんかも見ておくといいと思う。

*1:このエピソードは本当にあったらしく、以後ストーンズのメンバーはJBとの共演を嫌がったという

*2:音楽的にはストーンズにはあまりファンクの要素は少ない