My Generation (自転車と本、あるいは音楽)

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大相撲春場所は新関脇若隆景が優勝!

エディオンアリーナ大阪

春場所は新関脇の若隆景が高安との優勝決定戦を制して優勝しました。高安は阿炎に苦杯をなめ、若隆景も大関正代に敗れての決定戦、共に気合の入ったいい相撲でした。高安が優勢に見えたのですが、土俵際驚異的な粘りを見せた若隆景が上手出し投げで逆転!あの体制からよく残し、かつ投げを打つとは天晴の一言!これで大関も視界に入って来ました。今後が楽しみです。


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大関の高安、気持ち的には勝たしてあげたかったけど、あと一歩でした。また来場所頑張って欲しいですね。

大関の御嶽海は11勝と成績的にはまあ及第点かなと思いますが、早いうちに星を落として優勝争いにあまり絡めなかったですね。大関としては終盤まで持ち堪えてほしいところ。

カド番大関の2人は共に勝ち越して危機は脱出したけど、貴景勝も正代ももう少し頑張らないとダメですね。正代は序盤に連敗してもうダメかなと思ってたので、よく粘ったとも言えますがそもそも先場所は休場してた訳でもないので、これくらいはやらないと。

琴ノ若が先場所に続いて11勝と優勝争いに絡みました。身体も大きいし、こちらも楽しみです。阿炎、豊昇龍は千秋楽でなんとか勝ち越しできましたね。

今場所は14日目の土曜日に初めて大阪場所を観戦しました。照ノ富士の休場は残念でしたが、3年ぶりにお客さんを入れての大阪開催、「荒れる春場所」の通りになっていい場所だったと思います。

マス席からの土俵

後ろの方のマス席でしたが、高さがいい感じで思ってたよりもよく見えました。

西方幕の内土俵入り

土俵入りも堪能しました。子供の頃からこの土俵入りが好きでよく観てたものです。実際に見るとやはり力士の大きさに圧倒されますね。

東方幕の内土俵入り

欲を言えば照ノ富士の土俵入りが観られず残念でした。少しでも身体を治してまた強い姿を見せてほしいですね。夏場所が楽しみです。

リーグワン 神戸S vs S東京ベイ

もう一ヶ月前になるけど、新装開店したリーグワンの試合を観に行った。カードは神戸S vs S東京ベイ。トップリーグでいうと神戸製鋼スティーラーズ vs クボタスピアーズということになる。

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会場は神戸のホーム、ノエビアスタジアム神戸。前回来たのは3年くらい前だろうか。

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前に観たときは屋根閉めてたけど、今回は開けてくれてた。寒かったので閉めてくれれてもよかったが、開いてる方が気持ちいいですね。

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今季の神戸は東京ベイ浦安(旧NTTコム)との開幕戦を1点差で落とし、2戦目のキャノン戦も圧倒され、らしくない戦いが続いていたが、この日は強豪クボタを相手に終始押し気味にゲームを進めることができていた。

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後半、ウイング山下のトライシーン。やっぱ一瞬のスピードは光るものがありますね。

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終わってみれば 27-22で神戸のリーグワン初勝利。クボタも途中出場のマルコム・マークスの奮闘などで僅差の展開には持ち込んだけど、なかなかトライが取り切れなかった。ディビジョン1が12チームになったので確かに僅差のゲームが増えたような気はします。

映画「CODA」

「coda」という映画を観た。ここ数年で観た中ではかなりよかったです。


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「coda」というのは「Children of Deaf Adults」の略で聞こえない親を持つ聞こえる子供ことを指すのだそう。主人公のルビーもそうで自分以外の家族、両親と兄は耳が聞こえない。彼女は歌うことが好きで学校ではコーラス部に入る。コーラスと言っても日本の合唱部のような感じではなく、もっとポピュラーな歌をやってます。そこで教師に才能を見いだされ、バークリー音楽大への進学を勧められるが、家族の中で唯一の健聴者である彼女は通訳という役割を担っており、自分の将来と葛藤する・・・

アカデミー賞の作品賞にノミネートされてるだけあって、いい映画だった。まあ作品賞は「パワー・オブ・ザ・ドッグ」や「ウエスト・サイド・ストーリー」などの強力な候補がいて難しそうだけど。主演のエミリア・ジョーンズがいいですね。歌もいいし、まだ開花する前の少女の微妙な心情をよく表現できてると思った。重くなりすぎないようにユーモアの要素もしっかりあって、バランスもいい。

コーラス部の男子とデュエットをするのだが、その曲が”You’re All I Need To Get By”という曲でオリジナルはマービン・ゲイ&タミー・テレル。


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個人的にマービン・ゲイ&タミー・テレルはソウル界最強デュオの一組と思っているのでこの選曲は嬉しかった。他にはジョニ・ミッチェルの”Both sides now”(邦題:青春の光と影)も取り上げられててこちらもよかった。

フランス映画の『エール!』がオリジナルだそうだが、そっちも観てみたい。

「おっさんの掟」、「横浜ストロングスタイル」

リーグワンの立ち上げに関わった谷口真由美氏の著書。リーグワン開幕前のドタバタについての顛末が書かれてます。

しかし、これ読むとラグビー協会の闇が深すぎて暗澹たる気持ちになりますね。2019年のW杯で代表が結果を残してくれたのが、逆に改革への足枷になってしまってます。「現状でも成功したのだから変える必要はない」という現状維持のバイアスがかかってしまっている。結局完全プロ化にはならず、スタジアムの件も中途半端になってしまってます。裾野を広げようという発想にどうしてならないのか、理解に苦しみます。

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こちらは本からの抜粋で、サッカーやバスケットのリーグを改革した川淵氏との対談記事。

もう一冊横浜ベイスターズの経営に携わってた池田純氏の著書。池田氏は一時期もうなくなってしまったサンウルブズCBOに就任されていましたが、出る杭は打たれるということか、結局協会から疎まれて退任されました。そのあたりの顛末が書かれています。他にもJリーグや大学スポーツについて関わったときのことなども。

2人とも驚くほど同じことを書いています。

ラグビー界を変えていかないといけない。何とか力を貸して欲しい。」と請われてラグビー村に入ったものの、いろいろ提言しても特に取り上げられず、逆に上層部に邪魔をされる。当初は応援してくれていた協会内の人間もポジションを失うことを恐れ、応援してくれなくなり孤立無援に陥る。結果として退任する ーほぼ同じ流れを辿っています。外部の人間を登用するのは結局やってます感をアピールするためだけにしか見えない。

お二人はラグビー村の外の住民ですが、村の住民でリーグワンを仕切っていた清宮氏も協会内で浮いてしまい、今はリーグワンには一切関わってないです。

企業側が改革に後向きというのは理解できる部分もあるけど、旗を振る協会がこれでは改革なんて夢物語ですね。もうちょっと危機感もってやってもらわんと、ほんまに。

映画 "Amazing Grace"

先日の「リスペクト」に続いてAretha Franklinのライブ映画"Amazing Grace" について書いてみたい。


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これは彼女が1972年1月13日、14日の両日、米国ロサンゼルスのニュー・テンプル・ミッショナリー・バプティスト教会で開催したゴスペル・ライブの映像である。音源のほうは同年に発表されており、その時はもちろんアナログレコードなので2日間を1日分に編集した形でリリースされていたが、1999年に2日間を完全収録したコンプリート盤がCDで出ている。

私は99年に発売されたCDを購入していてその圧倒的なパフォーマンスに感動したのだけれども、改めて映像を観るといろんな気づきもあり、より感動が深まった。

ゴスペルということでクワイアをサザン・カリフォルニア・コミュニティ聖歌隊が努め、彼らをジェームズ・クリーブランドという有名なゴスペルシンガーがリードしているのだが、映像だとみんながAretha のパフォーマンスに影響を受け、気持ちが高ぶっている様子がよく観てとれる。興奮した観客が踊りだしたりする様子などは音だけ聴いていてもわからない部分だし、ジェームズ・クリーブランドが説教というか話をするのだが、映像だと字幕があり内容が理解できてありがたかった。(英語力がないので音だけだと何を言っているか理解できず)

2日目にはArethaの父親で牧師のフランクリンも会場に来ており、ステージで少し話す場面がある。そのせいか映像での彼女はとてもナーバスに感じられてちょっと意外だった。このあたりは「リスペクト」も合わせて観るとより理解が深まるかなと思う。この映像は彼女の生前には公開許可が降りなくて、映像としてクオリティーが低いというのが理由だったそうだが、どうもそれだけではなく、親子の確執みたいなところも多分にありそう。確かにカメラワークとか、ライティングとか時代なりの稚拙さは感じられるが、今観るとそのあたりも記録として楽しめる要素かなとも思う。 ちなみに予告編でも確認できるが、ストーンズミック・ジャガーも会場に来ている。一瞬だけど先日亡くなったチャーリー・ワッツの姿も確認できます。(本編のみ)

ここで展開されている音楽は純粋なゴスペルにマービン・ゲイ*1の”Wholy Holy”など世俗の歌も織り交ぜてより親しみやすくなっている。特に”Precious Load, Take My Hand"、これは68年に暗殺されたキング牧師が亡くなる前日にリクエストした曲ということだそうだが、これにキャロル・キングの名曲"You've got a freind”をミックスして、また違った説得力が生まれたように思える。 あと、2日目に披露されている”Old Landmark"は映画「ブルース・ブラザーズ」でジェームズ・ブラウンが牧師に扮して教会で歌った曲です。

今年は"Summer of Soul", "Respect"に本作とソウルミュージック関連で良質な映像作品が多く出た一年だった。

*1:マービン・ゲイの父も有名な牧師で、彼も父親と確執があったと言われる。