竜馬がゆく
言わずと知れた司馬遼太郎の代表作。『龍馬伝』を見てたら久々に読みたくなって、高校時代に買ったはずの文庫を探したけど、どうも数回に亘る引越しのドサクサで紛失してしまったようで買い直してしまった。豪放で快活なイメージの竜馬はこの作品で打ち立てられたもので、この作品が名作であるが故に以後竜馬を扱うものはどうしてもそのイメージに縛られてしまっている。福山龍馬は久々にそのイメージを打ち破ろうとしており、そういう意味でも注目している。
司馬遼太郎作品に共通することとして、これは氏が新聞記者出身というところが大きいと思うのだが、登場人物の略歴がかなり詳しいし、人物や事象に対する筆者の考え*1、分析が折に触れて出てくる。小説というよりは半分ノンフィクションを読むような感じであるが、その辺りに違和感を感じなければすんなりと読めるだろう。逆に言うとこの本を読むだけで結構幕末の知識が得られる。自分は高校時代に世界史しかとってなかったためにこの本で知識を得た。
幕末から維新にかけて活躍した志士たちの生き様はやはり胸を打つものがある。しかも、みんな驚くほど若い。一種の青春小説と言えなくもない。高校時代に夢中になって読んだことを思い出す。若い志士達が国家を変革できたというのはある意味幸福な時代だったのではないか?と本書を再読して改めて思った次第。
- 作者: 司馬遼太郎
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 1998/09/10
- メディア: 文庫
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