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星稜高のこと

高校野球も予選が終わり、大阪は大阪桐蔭の3連覇ということで大阪ではKK時代のPL学園以来なかったことらしい。そして石川県からはこんなニュースが飛び込んできた。

星稜9回0-8から大逆転甲子園/石川 - 高校野球ニュース : nikkansports.com

石川県の決勝で星陵高校が9回に8点差をひっくり返して勝利したというのである。このニュースは星陵が元ヤンキース松井の母校でもあることから米国でも報道されたようだ。

星稜、奇跡の逆転劇に米紙もビックリ 「USA TODAY」が異例報道+(1/3ページ) - MSN産経ニュース

土壇場で8点差をひっくり返すなんてちょっと聞いたことない。しかも8回までは相手投手にわずか2安打に抑えられてたというではないか。応援してるほうもほとんど敗戦を受け入れてたんじゃないだろうか。大差をひっくり返すというのは野球の醍醐味の一つだろう。これがサッカーやラグビーだとまず時間制限というものがあるし、相手にボールを渡してしまうと主導権を握れないというのもあり、こういった大逆転は起こり得ない。

しかし、星稜高校は本当に話題に事欠かない学校である。まずは79年夏、箕島高との延長18回に渡る死闘が思い出される。


奇跡を越えた名勝負 '79年 箕島vs星稜 - YouTube

この試合はリアルタイムでTV観戦していて釘付けになった覚えがある。延長に入って星稜が2度リードしながらも、箕島が2度ともホームランで追いつくのであるが、プロ野球でもなかなかこんな事は起きない。野球の面白さを教えてもらった試合だった。

亡くなったスポーツライター山際淳司氏の作品にこの試合を扱ったものがある。「八月のカクテル光線」という作品がこの本に収められている。箕島ー星稜戦は第4試合で延長18回と長時間の試合になったために照明が点灯したことから、タイトルが取られている。

そして92年は後のヤンキース松井秀喜を擁する星稜が高知代表明徳義塾高校と対戦し、松井は5打席連続敬遠されて星稜は敗れるのであるが、この件も大きくニュースとして取り上げられた。この試合当時は会社の寮に住んでいたが、寮の食堂でも「敬遠」でよいとアカンとかいろいろ議論があったような記憶がある。

甲子園が割れた日―松井秀喜5連続敬遠の真実 (新潮文庫)

甲子園が割れた日―松井秀喜5連続敬遠の真実 (新潮文庫)

この5打席連続敬遠を取り上げた本もある。試合のあった当時はもし自分があの立場、松井と対戦する投手だとしたらおそらく勝負しただろうなと思っていたが、この本を読んでから明徳義塾高の選手だったなら敬遠という策も当然選択肢には入ってくるなと思うようになった。それくらい松井という選手が高校生という枠を超えていたということだろう。

今年ももうすぐ甲子園で高校野球が始まる。語り継がれるような名試合に期待したい。