My Generation (自転車と本、あるいは音楽)

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「低度」外国人材 移民焼き畑国家、日本

技能実習生制度を取り上げた本。欧米から現代の奴隷制度と揶揄される技能実習生制度の実態について掘り下げている。お題目はともかくとして

実質的には人手不足に悩む日本の非熟練労働現場に、有期雇用かつ最低賃金レベルで働かせることができる安価な労働力を補充する仕組みとして機能している。

と筆者は説く。2019年末で日本で働く技能実習生は約41万人でうち過半数の21.8万人はベトナム人ということである。

この制度には実習生以外に登場人物が三者おり、雇用先の企業、彼らを本国から送り出す送り出し機関、そして実習生の管理団体である。三者三様に酷いのであるが、やってくる実習生たちも漠然と「日本なら稼げそう」くらいのちょっと安易な思いでやってきて、酷すぎる実態に耐えかねて逃げてしまう例が後を立たないようだ。逃げてしまった実習生は在留期限が切れれば不法滞在者となり正規の職に着くのは難しく、結果犯罪が増えて地域の治安の悪化につながったりして問題となっている。

私が住む大阪市東部や東大阪市にはいわゆる町工場がたくさんあるので、実習生として来ているベトナム人がたくさん住んでいるのだろう。街でベトナム人を目にすることが多くなったし、コンビニ前でも5,6人でよく屯している。中には逃げてきた人もいるのだろうし、今はコロナで本国に帰れないので不法滞在になってしまってる例も少なくなさそうだ。治安が悪くなってると感じることはないけど、何となく不気味ではある。

一昔前は海外から出稼ぎというのは中国人だったのだが、今や中国も経済成長を遂げて日本で働くのは割に合わないのでベトナム人が取って代わっている。

今はベトナム人技能実習生の主役であるが、そのうちにベトナムも経済成長を果たせば主役から退場して、ミャンマーカンボジアとかに焼き畑的に変わってゆくのだろう。

技能実習生と同様に安価な労働力の供給源となっているのが留学生制度で来日する留学生である。こちらもいろいろと問題があり、名古屋入管でスリランカ出身の女性が亡くなった事件は記憶に新しい。

president.jp

政権は正規移民政策を取らなかった代わりに実習生制度と留学生制度を両輪として人手不足解消に充てているが、どうみても問題のある制度をいつまで続けるのだろうか。