My Generation (自転車と本、あるいは音楽)

自転車での走行記録とか好きな本や音楽などをメインにお届けします

The Street Sliders "Hello!!"

The Street Sliders が2000年の解散以来22年振りに再集結、解散ライブを行った日本武道館でライブを開催した。

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いやー、こんな日が来るとは思わなかった。武道館での解散ライブも観たけど、もう2度とこのメンバーでのライブを観ることはないだろうなと思っていたので、まさかの再集結、まさかのライブである。ここ数年のメンバーの活動状況からすると、あるいはという感じもあったが、再集結が実現してすごく嬉しい。

非常に幸運にもチケットを確保することができた。もうこの次はないかもしれないし、絶対観たかったのでとても嬉しい。

前回は解散ライブということで会場も独特の空気感でとても張り詰めていたが、今回は天気もよくみんな表情が明るい。

武道館の中に入るのは久しぶりである。ステージの裏もつぶさずに360度、観客席にしていた。何でも14,000人くらい入ったらしいです。

席は西側2階席ということで遠いが、チケット取れただけで満足。

WOWOWで生中継ということもあってか、ほぼ定刻にライブが始まった。

オープニングは「チャンドラー」、ボーカルのハリーの声がよく出ていて驚いた。音もちょっと低音が聴きづらい点を除けば武道館にしてはとてもいい。いつも通りMCはほとんどなし、奏でる音もいつもながらのスライダーズ、何でしょうねこのドッシリ感。若い頃から渋い音を出すバンドだったが、年季の入った今こその円熟味に圧倒される。

バックに観客がいることもあってか、フロントのハリー、蘭丸とも間奏の間はよく後ろを向いてリズム隊と正対する形で演奏してて、久しぶりの4人でのライブを楽しんでる感じだった。

思ってたよりは短かい時間だったが、メンバーの体調とか色々あるのだろう。全17曲、堪能しました。詳しいセットリストは下記に。

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そして、終演後にこの日一番のサプライズが待ってました。

何と秋にツアーやるって、これはビックリ!正直このライブ一発で終わりかと思ってたんでこれはファンには嬉しいサプライズ!退出時にもらったチラシにはすでに日程も決まっていてチケット予約も即日開始とのこと。首都圏、大阪、名古屋、福岡、仙台と回るようだけど、比較的小さいホールばかりなので、これはまたチケット確保が至難だろうなぁ。

ライブ / イベント | ザ・ストリート・スライダーズ | ソニーミュージックオフィシャルサイト

Carpenters With The Royal Philharmonic Orchestra

2018年に出たカーペンターズのアルバムで、英国のロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団とのコラボレーション。

アルバム発売時には全然知らなくて最近知りました。昔の再発モノではなく、オーケストラの部分は新録ということです。


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兄のリチャード・カーペンターが英国まで行ってロイヤル・フィルと一緒に録音したんだそうです。ドラムとかベースは録り直してはなさそうだけど、グッと前に出てくるようになってどっしり感が増してます。

改めて言うまでもないですが、カレン・カーペンターは本当に素晴らしいです。何と言っても声がいいですよね、アルトの音域で高過ぎず、すごく耳触りのいい声で唯一無二だと思います。若くして亡くなってしまったのが惜しまれますね。


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これはイーグルスの名曲「デスペラード」のカバーですが、カレンが歌うとよりノスタルジックさが際立つと思います。


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新譜の音源はYoutubeに結構アップされてますがやっぱりこの曲ですかね、「イエスタデイ・ワンス・モア」。ベタですが。弦の音がかなりゴージャスになってますが、あまり前面に出てこずあくまで脇役という感じのアレンジで好感が持てますね。しばらくはヘビー・ローテーションです。

鈴木大介&村治奏一ギター・デュオコンサート

7月末のことですが、堺市の栂(とが)文化会館で行われた鈴木大介さんと村治奏一さんのギター・デュオコンサートに行きました。

クラシック・ギターのコンサートは初めてです(実はクラシックも少しは聴くのですw) アコースティック・ギターということでは以前東京で沖仁さんのコンサートに行ったことがありますが、あちらはフラメンコですね。

mucho66.hatenablog.com

会場は堺市泉北ニュータウンの方だったのですが、堺も随分と久しぶりでした。

栂文化会館は想像よりも年季の入った建物でしたね。ホールは500人は入れそうな感じですが、生ギターを聴くには程よい大きさかなと思いました。席は割と前のほうでしたが、かなり端っこでした。

このコンサート実は当初は「村治佳織村治奏一ギター・デュオコンサート」だったんですが、村治佳織さんが体調不良ということで、演者交代となりました。 以前から村治佳織さんのファンなので一度観ておきたかったのと、姉妹でのデュオというのもまた楽しみにしていたんですが、残念でした。


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実現していればこの動画のような感じだったのかなと。

でも、鈴木大介氏も村治姉妹の先生にあたる方で、経歴も申し分ないです。


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当日の演奏曲目ですが、ガチガチのクラシックではなく映画音楽やフラメンコの曲なども演ってくれました。下記を含めて10曲くらいだったでしょうか。

コンサートでは鈴木さんが何度か8弦のギターを弾いてました。エレキの世界ではかなり少数派ですが7弦ギターを弾く人がいますが、8弦というのは初めて見たので驚きました。

クラシック・ギターもいいですね。いつか習ってみたいなぁ。

映画「CODA」

「coda」という映画を観た。ここ数年で観た中ではかなりよかったです。


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「coda」というのは「Children of Deaf Adults」の略で聞こえない親を持つ聞こえる子供ことを指すのだそう。主人公のルビーもそうで自分以外の家族、両親と兄は耳が聞こえない。彼女は歌うことが好きで学校ではコーラス部に入る。コーラスと言っても日本の合唱部のような感じではなく、もっとポピュラーな歌をやってます。そこで教師に才能を見いだされ、バークリー音楽大への進学を勧められるが、家族の中で唯一の健聴者である彼女は通訳という役割を担っており、自分の将来と葛藤する・・・

アカデミー賞の作品賞にノミネートされてるだけあって、いい映画だった。まあ作品賞は「パワー・オブ・ザ・ドッグ」や「ウエスト・サイド・ストーリー」などの強力な候補がいて難しそうだけど。主演のエミリア・ジョーンズがいいですね。歌もいいし、まだ開花する前の少女の微妙な心情をよく表現できてると思った。重くなりすぎないようにユーモアの要素もしっかりあって、バランスもいい。

コーラス部の男子とデュエットをするのだが、その曲が”You’re All I Need To Get By”という曲でオリジナルはマービン・ゲイ&タミー・テレル。


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個人的にマービン・ゲイ&タミー・テレルはソウル界最強デュオの一組と思っているのでこの選曲は嬉しかった。他にはジョニ・ミッチェルの”Both sides now”(邦題:青春の光と影)も取り上げられててこちらもよかった。

フランス映画の『エール!』がオリジナルだそうだが、そっちも観てみたい。

映画 "Amazing Grace"

先日の「リスペクト」に続いてAretha Franklinのライブ映画"Amazing Grace" について書いてみたい。


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これは彼女が1972年1月13日、14日の両日、米国ロサンゼルスのニュー・テンプル・ミッショナリー・バプティスト教会で開催したゴスペル・ライブの映像である。音源のほうは同年に発表されており、その時はもちろんアナログレコードなので2日間を1日分に編集した形でリリースされていたが、1999年に2日間を完全収録したコンプリート盤がCDで出ている。

私は99年に発売されたCDを購入していてその圧倒的なパフォーマンスに感動したのだけれども、改めて映像を観るといろんな気づきもあり、より感動が深まった。

ゴスペルということでクワイアをサザン・カリフォルニア・コミュニティ聖歌隊が努め、彼らをジェームズ・クリーブランドという有名なゴスペルシンガーがリードしているのだが、映像だとみんながAretha のパフォーマンスに影響を受け、気持ちが高ぶっている様子がよく観てとれる。興奮した観客が踊りだしたりする様子などは音だけ聴いていてもわからない部分だし、ジェームズ・クリーブランドが説教というか話をするのだが、映像だと字幕があり内容が理解できてありがたかった。(英語力がないので音だけだと何を言っているか理解できず)

2日目にはArethaの父親で牧師のフランクリンも会場に来ており、ステージで少し話す場面がある。そのせいか映像での彼女はとてもナーバスに感じられてちょっと意外だった。このあたりは「リスペクト」も合わせて観るとより理解が深まるかなと思う。この映像は彼女の生前には公開許可が降りなくて、映像としてクオリティーが低いというのが理由だったそうだが、どうもそれだけではなく、親子の確執みたいなところも多分にありそう。確かにカメラワークとか、ライティングとか時代なりの稚拙さは感じられるが、今観るとそのあたりも記録として楽しめる要素かなとも思う。 ちなみに予告編でも確認できるが、ストーンズミック・ジャガーも会場に来ている。一瞬だけど先日亡くなったチャーリー・ワッツの姿も確認できます。(本編のみ)

ここで展開されている音楽は純粋なゴスペルにマービン・ゲイ*1の”Wholy Holy”など世俗の歌も織り交ぜてより親しみやすくなっている。特に”Precious Load, Take My Hand"、これは68年に暗殺されたキング牧師が亡くなる前日にリクエストした曲ということだそうだが、これにキャロル・キングの名曲"You've got a freind”をミックスして、また違った説得力が生まれたように思える。 あと、2日目に披露されている”Old Landmark"は映画「ブルース・ブラザーズ」でジェームズ・ブラウンが牧師に扮して教会で歌った曲です。

今年は"Summer of Soul", "Respect"に本作とソウルミュージック関連で良質な映像作品が多く出た一年だった。

*1:マービン・ゲイの父も有名な牧師で、彼も父親と確執があったと言われる。