My Generation (自転車と本、あるいは音楽)

自転車での走行記録とか好きな本や音楽などをメインにお届けします

2013夏のツーリング 流転の最終日編(白馬〜黒部ダム〜名古屋)

8/11(日)ツーリングの3日目。
Untitled朝食を取りながら外を見ると山が綺麗に見えていた。白馬には幾度も来ているけど真夏にこれほどよく見えるのは珍しい気がする。

さて、3日目は当初は糸魚川までダウンヒルして、ご当地グルメ糸魚川ブラック焼きそばを食べ、その後日本海沿いにある富山県内の自転車道を走り、時間があれば帆船「海王丸」が繋留されている海王丸パークに行き、自転車隊は夕方富山から特急に乗り、バイクは北陸自動車道から帰るという予定だった。
しかし、昨日黒部ダムを見損ねたためまずはリベンジに扇沢に向かう。全てはそれからである。
Untitled昨晩お世話になった宿アコースティック。右側の部分が増築された部分。

さて県道45号に入りそろそろ上りに差し掛かるかという頃に、道路に人がいて横の空き地に誘導している。
「なんやろう、警察?」
「うーんシートベルトしてるし、スピードも出してへんけどなあ」もとよりサンバー&メタボなオッサン2人ではスピードの出しようもなし。
NPOとの腕章付けた人が紙を配っている。
「すいません、扇沢の駐車場が大変混んでましてもう入れません。今から並んでも駐車場に入れるのは午後2時を回ると思います。」
「えー、マジですか?!」
そういうば昨日、駐車場の随分手前から車が路肩に停めてあったのはそういうこと?入れないから手前に停めてみんな歩いたちゅうことか。
「いやあ参ったなあ、どうする??」
「うーん、大町の駅からは路線バスがあったはずで大町温泉郷くらいまで戻ればバス亭があったと思うけど…」
「おっちゃんに聞いてみよか」係員の人を捕まえて聞くとちょっと戻ったらバス停はあるということだった。
「じゃあ戻りますか」
「バイクの池ちゃんに連絡しとこうや」電話すると既に扇沢に着いていた。バイクの駐車場は余ってるらしい。
「どっか車置けるスペース残ってないかなあ?」
「いや結構一杯やし、バスの方がええと思うわ」
Untitled
それならもうバスにということで、しばし戻るとバス停発見。近くの公共施設の駐車場にサンバーを停めてバス停まで歩く。バスの時間を見ると10時46分発とある。40分くらい待たないといけない。待っている間に同じような考えの人や周辺のホテルに泊まってる人が集まってきて結構な人だかり。20人以上はいる。
「結構集まってきたねえ」
「ホンマやねえ。めっちゃ気になんねんけどバスが満員でもう乗られへんかったりせんやろか??」
「ホンマ、それ心配やね。」
「確実な手段があるけど…」
「何それ??」
「自転車やったら行けると思う。」
「えーそら行けるけど、登れるかはまた別でしょ。昨日あの坂見たやん、無理ちゃう?」

まあ確かに、ギアをセカンドに入れてアクセルべた踏みしても減速しとった坂があったもんな。
50分くらいに到着したバスは予想通りというか満員で乗降口のステップくらいしか隙間がなかった。
「マジですか??乗られへんやん!」
「アカンわ、これ。もう勘弁してくれ」
運転手さんが「すぐ追加のバス呼ぶからここで待っててください」という。15分くらい待っていると空っぽのバスがやってきて、幸いみんな乗れた。乗ってしまえば扇沢までは15分くらいで到着。11時半のトロリーバスに乗ることができた。
Untitled「いやーようやく黒部ダムに行けますなあ」
「厳しかったですなあ、ホンマ」ハイシーズンの黒部ダムを甘く見てはいけない。

Untitled黒部ダムについたら天気もよく、素晴らしい眺め。「いやー天気もよくて最高やね!」幾多の困難の末にたどり着き感慨もひとしお。
「リベンジして正解やね。昨日滑りこんでいても15分で帰らなあかんかったもんね」
そう昨日17時の最終バスに乗れていても帰りのダムからの最終バスは17時36分発なのでダムに滞在できるのは精々が20分というところ。バスから降りてすぐにダムが見れる訳ではなく、実質的に10分くらいしか見ることができなかった計算になる。

Untitled放水の規模も半端ない。

Untitledtopcymさんがおもむろに「ここって富山県になるの?」
「うん、黒部ダム富山県やで」
「オレって富山県はたぶん初めてやわ」と感慨深げなtopcymさん。ちゅうことは立山も初めてな訳ですな。

Untitledダムを見下ろす展望台から下りてダムの上を歩くことに。
「放水してるところに虹が出とるで」
「どれどれ、あーホンマや上から見るとでっかいなあ」
「ところでtopcymさんどこ行った?」
「あれ、さっきまでその辺におったけどなあ?」

振り返ってみるとtopcymさんダム回廊の上でスマホとにらめっこしてはる。
「なんか固まってるけど」
「おーい、何してんの」
「いや、facebook見てたんやけど」
「おー早速投稿ですか」
「で、同級生からコメントあったんやけど、『修学旅行で行ったよね!』って」
「ハァ?それマジですか??さっき富山初めて言うてたやん?」
「いやそれが全然記憶にないねん」それで固まってたのか。
「修学旅行っていつの?」
「中学らしい」
「全然覚えてないの?」
「記憶にないねんそれが」政治家みたいなこと言っております。
Untitled昼食はダムカレー。結構種類が豊富。これはちょっと辛めのグリーンルーになってるけど、普通のルーもある。

なんやかんやで時間も15時近いしそろそろ下山。
「この後どうする?」
「もう結構ええ時間やし、自転車乗らんと帰ろうかなと」
糸魚川まで抜けるの?」
「いや大糸線JR西日本区間、なんか護岸工事とかで動いてないから松本に戻ろうかと思ってます」ちなみに大糸線は15日から復旧したらしい。
サンバーを停めたところまで戻ってきて、ロック解除しようとキーを操作するも反応なし。
とりあえず鍵穴に差し込んで回してドアを開ける。続いてエンジンを始動しようとしても反応なし。
「アカン、こいつエンジンかかれへんし」
「マジで?どういうこと?」
「いや、ようわからんけど…バッテリ上がったんかなあ?」
「ホンマかいな、半ドアやったんかな?」
「いやそれはないと思うけど…」
「あーっ、ヘッドライトつけっ放しやで!」
「ウッソー!」見ると確かにライトがつけっ放し。昨日に続きジ・エンド。
「そら上がるわ、でも何でライトなんか点いてるん?」
「来る時青木湖周辺にトンネルがいくつかあってそこで点けた」そう、ずっとサングラスしててトンネルは暗いのでライトを付けたのだ。で、消し忘れた、たぶん。しょうがないんでJAFを呼ぶ。待つこと30分、ロードサービス到着。
サンバーのバッテリは助手席の下にあった。なんとかエンジン始動でき引き換えに13,000円を支払う。トホホ。
Untitledレンタカーを返却し、近くの信濃常盤駅から松本経由で名古屋に戻ることに。

Untitled松本まで普通に乗り、松本で中央線の普通に乗り換え、木曽福島で特急「しなの」に乗り換えて千種で普通に乗り換えて大曽根で降りた。そこから自転車を組み立てて実家に着いたら10時くらいだった。

結局3日目はほとんど自転車には乗らなかった。3日間トータルで100kmと少々くらい、迷走した分を除くと実質80kmくらいか。岐阜から富山まで自転車で抜けるという当初の企画は、ハプニングの連続で何だかよくわからないものになってしまったけど、それもまた旅の醍醐味、売り物のツアーではこんな経験はちょっとできない。トホホなオッサン3人組のトラベルはトラブルの連続だったが、また機会があればトホホ旅に行ってみたい。