My Generation (自転車と本、あるいは音楽)

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国道16号線「日本を創った道」

国道16号線三浦半島の横須賀を起点として神奈川、東京、埼玉、千葉の1都3県にまたがり、房総半島の金谷までを環状に走る全長348.4kmの道路である。

東京では八王子市や福生市など、埼玉では入間市春日部市などを通るザ・郊外ともいうべき道路だが本書では郊外の道路という視点の他、地形、音楽という視点からも考察している。

地形という点では16号線沿いには貝塚が多く点在しており、縄文時代から人が生活していたことを示しているが、縄文人にとって暮らしやすい「山と谷と湿原の水辺」がセットになっていたということらしい。東京が発展して郊外となった訳ではなく、それより前からこのエリアは発展していたことを説いている、

音楽という点では16号線沿いに横須賀や福生など米軍基地が点在しており、FENや米軍キャンプから洋楽が入ってきた点に着目している。また米軍キャンプを活動拠点にしていたミュージシャンでは多数いるし、細野晴臣など軍人の住んでいた住居に住み活動の拠点としてた人も多い。八王子出身のユーミンもこのエリアで活動していたし、彼女の曲にはこのあたりのことを歌った曲も多い。ずばりの「哀しみのルート16」や「中央フリーウェイ」とかですね。最近だとマカロニえんぴつにも「ルート16」という曲もある。

関西だと同様の環状道路にあたるのは中央環状線か、外環状線になるだろうか。ただ地形的な問題でどちらも大阪府内を環状に結んでいるけど、京都や奈良、兵庫をぐるっと囲む道路というのはないですね。これは大阪と京都や奈良の間には山があり簡単には道路を通せないということだろう。そういう意味でも関東平野は本当に広い。

近年首都圏では都心回帰の傾向が顕著で16号線沿線もその例に漏れず全体的には人口流出している訳だが、一方で0〜14歳に限ると町田市や八王子市など転入超過している自治体もあるそうだ。町田に「グランペリーパーク」ができたり、ほぼ沿線にあたる所沢市にオープンした「ところざわサクラタウン」など開発の動きもいろいろある。いろんな意味で今後も目の離せないエリアなのかなと思います。